2017年02月22日

自己啓発の本なのかな?

「成功の女神は前髪しか生えていない。だから全力でその髪の毛をつかみにかかるんだ」

これをはじめて聞いたのはたしか6年くらい前。

自己啓発とかビジネス書とかが好きな人が言ってたのか。どんな場面で聞いたかあんまり覚えてないけど、聞いた瞬間の意味不明さは衝撃的だった。

なにがすごいって、想像がまったくできないメタファーっていうところ。

メタファーって、比喩表現のことで、Aというものを説明するために共通項があるBを利用すること。たとえば、よくあるのがドラクエの話。一番最初の町として有名なのがアリアハン。

勇者はアリアハンの周りに出てくるスライムを倒してレベルを上げて、装備を強くしたり、次の町での戦いに備えたりする。

いきなり無茶な冒険をしてしまうとすぐに倒されて、冒険をやり直すことになる。最初の町でまともに戦えるスライムを倒すことが大切なんだ。

これはライターにも同じことが言えて、最初に難しすぎる案件を引き受けてしまうとゲームオーバー。できることからコツコツとやっていかなくちゃならないよ。

これがいわゆるメタファー。

「ライターの入門術」について「ドラクエのレベルアップ」というたとえ話を用いて説明する。とても現実的に考えるとライターのレベルアップとドラクエのレベルアップは異なるものだし、もっと厳密に考えると現実はゲームみたいにシナリオが最初から決まっているわけではない。だから、このメタファーに納得はできたとしても「理屈はわかるけどうまくいかないんだよな」みたいなことにもなりかねない。

メタファーは古来から哲学者に愛され、メタファーを利用して説明することは高尚なことだとされてきた。哲学の歴史のなかでとても現実主義な人たち(さっきのゲームと現実は根本的に違うものみたいなことを考える人たち)から否定されたこともあったけど、基本的にメタファーが重視されることは現代でも変わってない。

ぼくの個人的な意見としては、メタファーはものごとを理解したりさせたりするときにとても便利なツールだと思う。ぼくはあまり使ったことがないけど、ライティングテクニックのひとつとしてメタファーを活用する人もぜんぜんいいんじゃないかな。薬機法の関係でレトリックをうまく使うライターもいる(「スッキリ美ボディ」とかいいながら「美ボディはなにであるか」という解説すると薬事にひっかかりそうなことをうまく書かないで表現する)と思うけど、そういうセールスライティングではメタファー使われることおおいよね。

だから、メタファーって理解を深めるためには役立つと思うんだけど、冒頭の前髪の女神について語られるメタファーはまったくわからないんだよね。

まず、女神って前方からやってくるの?どういう状況なのそれ?っていうか、前髪しか生えてないってどんな髪型だよ。しかも、前髪しか生えてない人の髪をつかみとるってどんな行為だよ。意味不明だよ。

そんなたくさんのはてなが出てきてまったくわからない。

6年たった今、言いたいことはわからなくもないけど、この状況は想像できない。

成功哲学とか、自己啓発って体得したらなんかすごく強くなれそうだけど、実際はそんなものいらないことだってあるんだろうなって思わせてもらえるよい事例。

前髪しか生えてない女神なんて想像できないし、意味もよくわからないけど、それを理解してなくても成功することはできるって。

 


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