『自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう』米光一成(著)

ゲーム好きなら知らない人はいない『ぷよぷよ』をつくった米光一成の著書。本書はアイデアを発想するための方法について具体的なノウハウを紹介している。「ぷよぷよを作った米光さんにアイデア術を学びたい!」という人には最適なノウハウ本だろう。アイデア系の書籍は今昔問わず、たくさん出版されている。1988年に出版されたジェームス・ヤングの『アイデアのつくり方』、2000年以降だとダン・ハースとチップ・ハース(ちなみに二人は兄弟だ)による『アイデアのちから』が代表的。アイデアを発想する方法に共通項はあれど、時代の変化にあわせて形にして見せる方法は変化している。そういった点で考えるとハース兄弟がアイデアという文脈に物語性(Story)を入れていることは興味深い。シェアされる共感や文脈(コンテクスト)というインターネット・SNSが普及した時代に適した形のアイデア概論と言える。

ジェームス・ヤングやハース兄弟の代表作品があるにも関わらず、あえてアイデア本が出版されるのはなぜか。それは、アイデア発想がクリエイティブな分野だからだろう。クリエイティブな分野にテンプレート思考はいらない。だから米光さんの本にも価値があるということだ。実際、本書はかなり人を選ぶ本のように感じる。アイデアの作り方が具体的でまるで一つの講座を受けているような感覚になる。紹介されている発想方法で生まれて社会に影響を与えた事例などは紹介されていない。では、米光さんの頭をひっくり返しただけなのかというと、そうでもなくて、往来の名書などが併せて紹介されており説得力がある。そして、米光さん自身が現在も2017年においても独自のオフラインゲームを開発するなどの取り組みをしているので、身をもってノウハウの体現をしていると言ってよいだろう。

●日本経済新聞出版社 ・1,620円

 


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