『猫のつもりが虎』丸谷才一(著)

エッセイストや作家としてしられる著者。本書はポップな挿絵も入って、近づきやすい印象。話の切り口が絶妙だ。たとえば、ベルトについてのコラム。ベルトという私たちの日常にある存在を掘り下げる。当たり前のようにつかっているベルトの歴史が実は浅いこと、しかしベルト自体は5000年以上の歴史があること。妙な存在としてのベルトに着目する著者。テーマ選定が鋭い。

コラムニストの話は毒にも薬にもならない日常をつらつらとならべるだけの印象をもたれがちだが、本書に触れると印象が変わるはずだ。切り口は日常でありながら、独自の研究や思考を巡らせることでコラムとしての味わい深さを出していく。日本語の文体が古く、やや読みづらい印象があるものの、着眼点のユニークさがおもしろい。

●文藝春秋

 


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